原油先物4月限月が到来し、20ドル⇒26ドルの価格調整差額が発生しました!
ども。投資軍師のかんべえです。
原油価格暴落に伴い、原油先物投資を少し始めています。
せっかく減産交渉が進んだと思ったのに、さらに下落、20ドル割れが続きました。
そして、4月16日、原油先物の限月が到来したので、5月限月ものに乗り換え、価格調整が発生しました。
なんとその額が20ドル⇒26ドルです。
この大きさに、マイナス7000円の損失だー!等、買い保有者の方の発言をチラホラ見かけます。
しかし、それは少し論点がずれています。
今回は改めて価格調整について解説します。また、原油先物投資においてETFでもCFDでも長期ナンピン投資がおすすめできない理由についても解説したいと思います。
原油先物価格が20ドル⇒26ドルへ 価格調整した結果
2020年4月16日、期限が到来した原油先物が期先のもの乗り換えました。
その結果・・・
(GMOクリック証券CFD口座価格調整)
19.73ドル⇒26.01ドルへの価格調整がされました。
つまりどういうことなのか?
期限がきた原油先物のポジションを一旦、19.73ドルで売って、そして、26.01ドルで買いなおした、という感じです。(恐らく手数料とかはかかりません。)
このように20ドル前後だった、原油先物価格が、26ドルへワープしています。
何か減産交渉が進んだとか、景気が良くなったとか、それで増えたわけではありません。
先物を乗り換えた(ロールオーバー)だけです。
ただ、私は20ドルで原油先物をCFDで買っています。(参考:原油先物をCFDで買ってみました。)
それだと一気に6ドルも含み益が増えることになります。
では、残高照会を見てみましょう。
20ドルで買ったものが現在、26ドルになっているのに、2lot保有しているのに、含み益はたったの266円しかありません。
それは見かけ上は20ドルで保有しているように見えますが、実際は「19.73ドル⇒26.01ドルへ乗り換え」をしているというわけです。
その結果、価格調整差額が6.28ドル×10×lot数が計上されることになります。
つまり、含み益が増える分、マイナスの価格調整が計上されるということです。
このような感じで、価格調整がマイナスで2万円ほど(3lot分)計上されています。
よく勘違いされるのですが、価格調整をしても、損益には影響がないということです。
そして、このコンタンゴが買い方に不利なのか?ということですが、これも、これからの原油価格が上がるか、下がるかで、変わるわけです。
ただ、下げ幅が増えたという点では買い方には不安材料です。
つまり、20ドルから26ドルに戻るわけですから、また20ドルに下がる余地が増えたということになります。
これを繰り返されると、買い方にとっては辛い状況になるわけです。その点では買い方にとっては不利かもしれません。
また、この点から、長期ナンピン投資はおすすめできない理由になります。
なぜ長期ナンピン投資をしてはいけないのか?ETFでもCFDでも
まずは原油価格チャートを見てみましょう。
(参照元:investing.com)
こう見ると、底堅く見えるわけです。
この20年間で20ドルを割るのはほぼないのだから、20ドル付近から長期ナンピン投資をし続ければ、倍以上に稼げることができるのではと・・・
しかし、これは大きな間違いです。そんなに投資は簡単ではありません。
原油価格の下落が続けば続くほど、毎月コンタンゴが発生します。
このような感じで、20ドル⇒26ドルへのワープが起きます。
原油価格が平均より低ければ低いほど、将来の価格は今より回復していると予想されるので、期先の価格は高くなります。
これが原油先物チャートが底堅く見える理由です。
毎月20ドル⇒26ドルに価格調整されると、いつまでたっても20ドルを割りませんよね?
これが投資初心者の方を惑わすわけです。
20ドル以下にはならないから安全と、勘違いしてしまうわけです。
CFDで長期ナンピンをすると・・・
CFDですが、私は20ドルで買っています。
価格調整で、26ドルになり、これが20ドルになると、マイナス6ドルの含み損です。
そして、またコンタンゴで26ドルに調整され、
そして、また下落して20ドルまで下がると、今度は含み損がマイナス12ドルになります。
これが毎月繰り返されると・・・
元本以上の含み損が発生するわけです。
レバレッジ1倍でもいずれロスカットすることになり得ます。
そこで、資金を入れまくって、ナンピン買いをしていくと、どうなるか。
どんどん含み損を増やすことなります。
仮にロスカットをする前に、原油価格が上昇に転じ、30ドル、40ドルを超えてきたとしましょう。
しかし、今まで散々価格調整をしてきたので、含み損は1lotあたり、かなり膨れていることになります。元本の20ドル以上となってしまっているでしょう。
そうなると、原油先物価格が回復してもすぐには回収できないわけです。
原油価格の高騰が長期間続き、コンタンゴとは逆の価格調整であるバックワーデーションが続かないと厳しくなります。
それゆえ、長期ナンピン投資は勝率が低くなるというわけです。
ETFも長期ナンピンはリスクが高い
では、ETFはどうなのか?
ETFは現物株と同じなので、CFDのように元本以上の損失が無いのは確かです。
しかし、連動対象は原油先物価格です。
CFDのように価格調整は発生しませんが、コンタンゴを繰り返しながら、原油先物価格が下落していけば、その分、ETFの株価も下げていきます。
長期ナンピン投資をしてしまうと、どうなるか?
原油先物価格が仮に30ドル、40ドルに回復しても、長期間コンタンゴでマイナスが増えているので、ETFも元値には戻りません。
長期保有したCFDと同じく、原油価格の高騰が長期に続かないと回収できない状態となってしまうわけです。
これが、「減価」といわれる仕組みです。
本日、20ドルから26ドルになったわけですが
「(NEXT FUNDS)NOMURA原油インデックス上場」のチャートを見てみますと、一切株価が上がっていないわけです。
そして、また今日以降、原油価格が20ドルまで下げていくと、このETFの株価は下げていくわけです。
そして株価が2桁前半とかになると、「株式併合」もしくは「早期償還」のリスクが増えてきます。
概ねETFは連動対象に連動し無くなった場合、早期償還するという要件がついています。
株価が一桁になると、連動がしづらくなりますので、早期償還も注意が必要ですね。
含み損のまま強制決済となることもあり得ますのでご注意を。
原油先物は底堅くないから長期保有にリスクがある
結果として、原油先物価格は底堅く見えるが、実施は底なしだということです。
ですので、長期保有、ナンピン買いするなら、その覚悟が必要ということですね。
もちろん、逆もあります。
原油価格が高騰を100ドル超えとなってくると、逆の価格調整が発生し、天井があるように見えて、天井がない状態にもなり得ます。
価格調整については「Crude Oil Futures Quotes」で見れますので参考に。
このように将来の限月の原油先物価格を見ることができます。現在はコンタンゴとなっています。
原油先物投資に関する解説は本ブログも参考に
以上、価格調整差額について、解説しました。
最近はCFDによる先物投資が流行っていますので、この価格調整の理解は必須となってきますね。
VIXの事件でもそうでしたが、先物投資、先物に連動するETFは全てこの価格調整がかかわってきますので、注意が必要です。
原油先物投資については本ブログでも詳しくまとめています。
⇒原油価格暴落は投資のチャンスか?【原油先物に投資する方法(CFD解説)】
価格調整についても参考に
原油投資におすすめ口座
原油投資におすすめ口座ですがCFDはGMOクリック証券CFD口座、もしくはDMMCFDです。
両者とも×10の小lotから取引ができますし、スプレッド等も狭いです。私もGMOを使っています。
「CFD口座比較」も参考に。
ETFなら1日約定代金50万円未満無料の松井証券がいいでしょう。
ただ、原油に投資するならETFよりCFDがメリットが高いと思います。
まとめ 原油投資はやはり中上級者向け
以上、原油先物の価格調整について解説しました。
やはり、原油先物投資は少し難しいですね。中上級者向けです。
私も20年ぶりの暴落で投資のチャンスと思っていましたが、一筋縄ではいかないようです。
今後も下落が続くようなら、ポジションを軽くして、次の買うタイミングを待ちたいと思います。
長期保有、ほったらかしができないという点で、堅実投資ではないですね。
リスク高めの投資となりますので、ご注意を。初心者の方は手を出さないようにしましょう。
※動画でも解説しています。