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【注意】米国viショートのロスカットレートを80超にしてても安全はない理由

ども。投資軍師のかんべえです。

本当にコロナショックすごいですね。

暴落が止まりません。

この記事を書いているときは1ドル103円台、日経平均も2万円割れしています。

さて、今回はオープンチャットでも質問を頂いた米国viについてです。

米国viは最近流行しており、ここ数年の長期安定相場の後押しもあり、米国viショートの投資が人気となっています。

ただ、時々耳にするのが・・・

リーマンショック時のVIX60台より高い、80超にロスカット設定していたら無敵

と・・・

暴落が来てもロスカットされないのでいつか勝てると・・・

どこで得た情報かはわかりませんが

これは全く無敵ではありません。

色々と誤解があると思います。

以下、解説します。

コロナショックで米国viが40超!

2020年3月9日時点ですが、米国viの価格を見ておきましょう。

米国VI価格40超チャート 米国VI価格40超
GMOクリック証券より)

コロナショックにより価格は40超です!

新規売りは依然として取引規制となっています。

米国viはショートをしている人が多かったので、ロスカット者も多いようですが、まだホールドしている人も多いようです。

なぜロスカットレート80超にすると安全であると言われているのか?

さて、本題です。

オープンチャットでも話題となっていますが、米国vi投資家の間ではロスカットレートを80超にしておけば安全だと。

長期的に見れば必ず勝てるんだと。

そう思っている人もどうやら少なからずいるようです。

では、なぜそのような噂が流れているのでしょうか。

米国viの連動対象であるVIX先物の長期チャートを見てみましょう。

VIX長期チャート最高値
VIX指数チャート tariding view

VIX指数長期チャートですが、長期チャートを見ると、最高値がリーマンショック時の60となっています。

なぜロスカットレート80超にすると安全であると言われているのか?

それは、

100年に1度のリーマンショック級の暴落があっても60なんだから、それをはるかに上回る80くらいにしておけば安全。長期ショートで問題なし。

そう思われているというわけです。

しかし、これは大きな誤解があるように思えます。

ロスカットレート80でも全く安全ではない理由

では、なぜロスカットレート80では安全ではないのか?

リーマンショック以上のショックだって起こるさ!

という理由ではありません。

ロスカットレート80でも安全ではない理由はバックワーデーション価格調整です。

バックワーデーションとは?コンタンゴの逆

米国vi投資家の方なら価格調整差額はご存知だと思います。

この仕組みは米国viの連動対象の先物の期限がきたとき、より期先のものに乗り換えることで起きることです。

先物とはある先の期日で価格がいくらになるか?を予想して売買するマネーゲームです。

通常、安定相場が続くと、期先のものの価格は期限が切れたものより高くなります。

なぜなら、安定相場であれば、より先の未来の方が何かが起きて相場が暴落している可能性が高いと思われ、VIX指数が高いと思われるからです。

これをコンタンゴといいます。

直近でのコンタンゴを見てみましょう。

米国vi価格調整

米国viの価格が12.91だったものが15.18のものに乗り換えをします。

その結果、ショートを保有していると含み損が2,494円分増えます。
((15.18-12.98)×109.89円/ドル)

ロング保有者は含み益が2,494円分増えます。

しかし、実質は変わっていませんので、その2,494円分を価格調整として、ショートにはプラスで、ロングにはマイナスで計上されるわけです。

続いてバックワーデーションです。

これはコンタンゴと逆の現象です。

すなわち、暴落相場でVIXが異常に高いと、より先の未来は今より安定しているだろうとの想定から、価格が下がることが多いです。

直近ですと2018年です。

バックワーデーション2018年

2018年2月の価格調整を見ますと、売りにマイナス3,860円計上されています。

これは、米国viが23.4という高値を付けており、期先のものの価格が19.87と低くなっていたからです。

つまり今度は逆で23.4⇒19.87に価格が調整されたわけです。

その差額が売り方にマイナスとして計上されるわけです。

下落トレンドが続くと、ロスカットレート80の意味が変わってくる

つまりどういうことか?

まず、現在米国vi40超えは20ポイント台の時より大きなバックワーデーションが予想でされます。

その結果、例えば

40⇒35

といった価格調整がされるわけです。

そして、また下落トレンドが続くと、米国viの価格は40を超えてきます。

そしてまた

40⇒35

という感じでバックワーデーションが続きます。

そうするとどうなるか?

実質80に達してしまう可能性が高いわけです。

今までの40が35になるということは、ロスカットレート80も75になるということです。

ここで、同じく80のロスカットレートを維持するには追加の証拠金が必要です。

すなわち、価格調整前ですと、85のロスカットレートを設定しているのと同じ状態です。

価格調整で毎月バックワーデーションが続くと・・・

3月:50⇒40(実質50)

そしてまたVIXが50に上がり

4月:50⇒40(実質60)

5月:50⇒40(実質70)

6月:50⇒40(実質80)

チャート上、確かに80は超えなくても実質80と同じ状態になります。

もう一度VIXのチャートを見てましょう

VIX長期チャート最高値

確かに文字通りロスカットレートを80に設定していれば、ロスカットの心配はありません。

しかし、これはバックワーデーションが続くことで、追加の証拠金を入れることが前提です。

チャート上は確かに80を超えないと思いますが、毎月価格調整を繰り返すと、実質到達したのと同じ状態です。

この長期チャートを見て、80超なら安心!と言っている人がいたとしたら、それは全く米国viを理解できていません。

もし、米国viロスカットレート80超なら安心だからどんな暴落でも長期保有し続ける!と誤解している人がいたら、考えを改めましょう。

しっかりとルールを決め、今後、数カ月以内に相場が安定するとの根拠や自信が無いのであれば、損切りすべきでしょう。

逆にロングで考えてみればわかる

米国viショートで

ロスカットレート80超なら安心

というのが言えるのであれば

逆にロングであれば、

ロスカットレート5なら安心

ということがいえることになります。

しかし、実際は違いますよね?

チャート上、確かに米国viは10以下にはなっていませんが、価格調整で実質なっているのと同じですからね。

そう考えると、逆のショートでも実質80超になる可能性はそれほど低くないということが分かると思います。

もちろん、今後もコロナショックで相場が荒れるということが前提です。




価格調整差額は分配金ではありません

あと、もう一つ。

価格調整差額を分配金と思っている人も多いようです。

あるブログでは、価格調整差額の金額と投資額とで利回り計算しているところもあるようです。

です。

ですが、価格調整差額は上記でも書いたとおり、文字通りの価格調整です。

価格調整差額が発生する直前と後では実質損益には何も影響がありません。

つまり、先ほどのコンタンゴの例ですと。

米国vi価格調整

米国viの価格が12.91だったものが15.18のものに乗り換えをします。

12.91⇒15.18

に保有している米国viの価格が上がります。

すると、ショート保有者は含み損が2,494円分増えます。

その含み損が増えた分を、価格調整差額として、プラスに計上しているだけです。

つまり、損益は何も変わっていないのです。

にもかかわらず、この価格調整差額で稼ぐ、利回り計算する、というのはちょっと違うと思います。

確かに、価格調整がプラスになるということは、それだけ安定相場が続いているということですから、プラスはプラスなのですが・・・・

価格調整差額については本ブログにも書いていますので参考に
⇒価格調整差額は分配金ではない

よくわからないものには投資しないように。レバレッジを低く堅実投資推薦

米国vi、恐らくちゃんと理解している人は少ないでしょう。

私もまだよくわかっていません。

なぜVIX指数の数字がこのように上がるのか?仕組みを完璧に理解できている人はかなり少ないと思います。

ただ、せめて、米国viに投資をするなら上記のような価格調整差額やバックワーデーションのことは理解しておいた方がいいでしょう。

恐らくどこかのブログでかなりローリスクで稼げるかのようなものを見て、始めた人が多いと思いますが。

ウォーレンバフェットの言う通り

「よくわからないものには投資をするな」

「簡単に早く稼ごうと思うことが貧乏脳」

これは肝に銘じて、投資をしていきたいですね。

とにかく今回のブログでお伝えしたかったのはロスカットレート80でも全然安全じゃないということです。

確かにここ数年は安定相場の期間が長かったです。

暴落相場より安定相場の期間が長いのはこれからもそうだと思いますが、コロナショックのようなことが起きるとどこまでVIXが上がり続けるかわかりません。

レバレッジをかけず、しっかりと損切をして、堅実投資に徹するのが良いと思います。

私も「STEP7「米国viショート投資法」で米国viをショートメインで投資していますが、損切りはしっかりとしていますし、暴落後、相場が安定してきたときに後だしジャンケン的に売りをいれるようにしています。

コロナショックが落ち着いて、新規売りもできるようになったら、ショートを狙ってみたいと思います。

以上、少しでもお役に立てれば幸いです。LINE相談もお役立てください。

米国viは「GMOクリック証券CFD口座」で取引できます。

追記:米国vi価格調整はいくらになるのか?目安となるサイト

追記です。

VIX価格調整

⇒VIX Central

1ヶ月先はもちろん、2ヶ月、3ヶ月以降先も見ることができます。

やはり、VIXが30~40以上となる限り、バックワーデーションは続きそうですね。

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米国VI買いのタイミングを考えてみました。




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