ども。投資軍師のかんべえです。
バブル相場が続いていますね。
日経平均も30年ぶりに3万円をつけました。
ここまで上がると、そろそろ暴落が来る?バブルがはじける?
そんなことを思い、ベア系のETFや空売りを仕掛ける人が増えていきます。
今回はベア系のETFの中でも人気の「日経ダブルインバース」を取り上げたいと思います。
日経ダブルインバースとは?
日経ダブルインバースとは?日経平均ダブルインバース・インデックスに連動する先物ETFです。
日経平均ダブルインバース・インデックスは、日々の騰落率を日経平均株価の騰落率の-2(マイナス2)倍として計算された指数で、2001年12月28日の指数値を100000ポイントとして計算されています。参考:NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信
対象指数が前日比で5%下落すると、その2倍の10%下落するものです。
まあ、割と複雑で、完璧な説明は難しいのですが、日経平均が暴落すれば、価格を上げるETFで、暴落対策として使えるのでは?と思われるETFです。
詳しい解説は「東証マネ部」も参考に
日経ダブルインバースはギャンブルです
先日このようなツイートを見かけました。
さらにダブルインバース追加!
9000口!
私にとっては人生を賭けた大勝負!
2人でコツコツと貯めてきた資金です、負けられません。
これで負ければ結婚式のキャンセル代払えず一家離散です。
皆さま応援して下さい。#RT拡散希望 #投資家と繋がりたい pic.twitter.com/MGaZDIeRSv— 恵比寿パヤパヤ系男子@コロナで人生アウト (@ebispayapaya) February 9, 2021
ネタなのか、本当なのか、はわかりませんが、ダブルインバースで一発逆転を狙うのは危険です。
よくわからないものに投資をする、レバレッジをかける、簡単に早く稼ごうとする思考はやはり金持ち思考ではありません。(参考:STEP1「まずは金持ち思考を学ぼう」)
日経ダブルインバース(1357)は買うべきではない理由
日経ダブルインバースを買うべきでない理由は端的に
- 相場安定時も減価していく(長期保有は勝率が下がる)
- 株価が下がり続けると株式併合、最悪の場合、早期償還もある
特に減価していく、というのが大きいですね。
相場安定時も減価していく
まず、日経ダブルインバースのチャートを見てみましょう。(参照元:Yahoofinance)
上場した2014年あたりから、ずっと下落を続けています。
5000円から現在の400円と、株価は10分の1です。
一方、日経平均と比べてみましょう。
こちらも確かに上昇は続けているのですが、2014年から株価は2倍ほどです。
単純に考えると、日経ダブルインバースは2倍ですので、株価が4分の1くらいになるくらいの下落のイメージを持っている人も多いかもしれません。
ですが、そうではないのです。
この日経ダブルインバースは株価が安定時も価格を下げ続けるのです。そして、先物系ETFは、限月があります。
連動対象に限月が来ると、次の限月に乗り換えることにより、コストがかかります。(コンタンゴ)
これは原油先物や米国viの時も取り上げましたね。
参考:原油先物CFDの価格調整解説(20ドル⇒26ドルのコンタンゴ)(なぜ長期ナンピン投資をしてはいけないのか?))
毎月、ロールオーバーを繰り返すことで、徐々に価格を下げていってしまっているわけです。
また、インバース型ETFは乖離も生じます。
インバース型ETFは、値動きや想定されるリターンが通常のETFとは異なる特性を有しています。
中長期にわたって、インバース型ETFに投資をする場合、原指標の変動率とインバース型指標の変動率の乖離が大きくなる可能性があり、留意が必要です。また、原指標の上昇と下落が相互に繰り返されるような相場においては、複利効果により、原指標と比較して指数のパフォーマンスが逓減して行くという特性があり、投資者は利益を得にくくなりますので、留意が必要です。参考:ETF投資のリスク
まあ、色々書いていますが、はっきり言って、私もよくわかっていないところが多いです。具体的になぜ、今の株価が400円台なのか、ちゃんと計算してお答えすることはできません。
そして、ダブルインバースなのにちゃんと2倍に動かない理由もよくわかりません。
つまり、「よくわからないもの」なのです。
「よくわからないもの」に投資するのはバフェットも曰く、厳禁です。
さて、減価ですが、2020年3月のコロナショックの時は日経平均を見てみるとわかります。
日経平均を見てみますと
コロナショック時に株価は17000円を割っており、2016年の株価まで下げています。
ですが、ダブルインバースの方はというと・・・
1500円を超えましたが、2016年のときの3500円には程遠い価格です。
そして、また、下落を続けています。
結果として、もう、一時的な大暴落だけでは、元値には戻らない状態です。
恐らく、日経平均が1万円を割ったとしても、元値に戻るのは厳しいのではないでしょうか。
つまり、この銘柄は長期になればなるほど、勝率が下がっていくわけです。
仮に、リーマンショックのように数年続くベア相場となれば、どうなるかは正直わかりませんが・・・。リスクの割にあまり旨味はないものだと思います。
つまり、この銘柄は買ってすぐに暴落が来れば、確かに儲かりますが、ナンピンを続けていって、いつかは勝てる、といったものではないのです。
現物投資ですので、元本以上の損失はありませんが・・・。
株価が下がり続けると株式併合、最悪の場合、早期償還もある
リーマンショックのような大暴落があれば、株価がいつかは戻ると、ナンピン買いをし続けるのもおすすめしません。
なぜなら、ダブルインバースの株価がこのまま下がり続けて、100円を割ってくると、連動指標との乖離が生じやすくなります。
その場合、株式を併合する可能性があります。
有名な話では、VIX短期先物1552が、200分の1に併合されましたね。
(参考:1552 VIX短期先物が2017年9月12日取引から200倍併合決定!)
VIX短期先物1552もダブルインバースと同じく、ベア系のETFで、恐怖指数VIX先物に連動するETFです。
株価を見てみましょう。
参考:Yahoofinance
2012年に株価が300万円となっていますが、これは元々200分の1の15,000円ほどでした。
ですが、どんどん株価を下げ、遂には100円を割ってしまいました。
このままどうなるのかと思ったら、200倍に株式を併合してしまいました。
その結果、株価は200倍の2万円ほどに。そして、さらに下げ続け、株価は現在5000円ほどです。
併合前に換算すると25円です。
仮に、リーマンショック級の大暴落が起きたとして、株価が300万円に戻る可能性はほぼゼロでしょう。
長期になればなるほど、どんどん基準価格が下がっていくという感じでしょう。
日経ダブルインバースも同じようになってしまうのではないかと思いますね。
ただ、最悪の場合、早期償還もありえます。
繰り上げ償還の要件として
「受益権の口数が20営業日連続して10万口を下回る事となった場合、上場した全ての金融商品取引所において上場廃止になった場合または対象指数が廃止された場合は、償還となります。
上場した全ての金融商品取引所において上場が廃止された場合には、その廃止された日に償還のための手続きを開始します。また、やむを得ない事情が発生したときは償還となる場合があります」参考:目論見書
このように定められています。特に「また、やむを得ない事情が発生したときは償還となる場合があります」が気になりますね。
ダブルインバースの株価が下がり続けて、対象指数との連動が難しくなった場合等、何らかの理由で、早期償還されてしまうケースもあるわけです。
大暴落が来る前に償還させられてしまうケースもありえますので要注意です。
早期償還のケースとしてはVIXインバース2049がありますね。
正直、よくわからないETFには投資しない方が良いでしょう。
日経ダブルインバース(1357)を買っていい場合とは?
では、日経ダブルインバース(1357)を買っていい場合とは?
それは、もう、暴落が近い将来にくると、自信をもって思えるケースですね。
暴落直前に買えれば、大きく利益を得ることができます。
その点では、確かに、日経平均も3万円を超えてきて、バブル崩壊が間近と予想して買っていくのはありなのかもしれません。
ですが、去年も一昨年も、そろそろ暴落が来ると思っていましたが、全く来ませんでしたからね。
コロナショックでさえ、一瞬の暴落で意味がありませんでしたからね。
暴落を予想するのは本当に難しいです。
買うとしても、数ヶ月保有して、暴落がない場合は、損切する、くらいの投資法がいいかもしれません。
ジムロジャーズ氏も2021年前半に暴落が起きるのでは?と予測していますので・・・。
円高・暴落対策にはユーロ円売りがおすすめ
では、暴落時に利益を得る方法は何がおすすめなのか?
あくまで私個人の意見ですが、ユーロ円売りです。
「STEP3「ユーロ円売りで円高対策」」にて解説しています。
端的に説明しますと
- FXでレバレッジを低くユーロ円売り(ショート)を仕込んでおく手法
- ユーロ円は円高時にはしっかりと下がってくれるので暴落時に利益を得られる
- ユーロ円売りはスワップ金利がプラスなため長期保有しても問題ない
- インバース等と違い減価や早期償還がない
という手法です。
ユーロ円は円高時、暴落時にはしっかり反応して下げてくれます。
しかも、金利の関係で、ユーロ円売りなら日々のスワップ金利は僅かにプラスですので、スワップ金利を貯めながら円高を待つことが可能です。
この点、ドル円売りですと、金利を支払わなければなりませんので、長期保有するのが難しくなります。
では、ユーロ円チャートを見てみましょう。
2010年リーマンショック、アジア通貨危機の時期は大きく下げています。
2016年の英国EU離脱時も下げました。そして、2019年のドル円フラッシュクラッシュや、2020年のコロナショック時も下げてくれています。
つまり、ユーロ円売りを円安時に仕込んでおけば、暴落時に利益を得ることができるわけです。
過去の実績は「円高対策ユーロ円売り実践結果」を参考に
以下の通りのルールでユーロ円売りを実践しています。
- FX口座は1通貨から取引ができ、ユーロ円売りスワップがプラスの「SBI FXトレード」を使う
- 取引単位は300~500ユーロずつ
- レバレッジは2倍以内(130円超はもちろん過去最高値も意識)
- 0.2~0.5円上がるたびに売りを仕掛けておく(指値注文を並べておく)
- ユーロ円が大きく上昇したときは多めに売る
- ユーロ円が下がるまでスワップ金利を貯める
- 0.5円~5円ほど下落してきたらユーロ円売りを決済していく
- 以上を繰り返す
詳細は「STEP3「ユーロ円売りで円高対策」」参考に
ユーロ円売り仕込んでいきます。 pic.twitter.com/9krq5q5x9x
— かんべえ@投資軍師 (@kanbei_toushika) February 15, 2021
現在の残高ですが
ちょっと最近の円安傾向で含み損は増えていますが、6万ユーロ円ほど売りを仕込んでいます。
仮に暴落が起きで、1ユーロ110円近くになれば、約60万円ほど利益が出ることになります。
上記キャプチャ画像の右下がスワップ金利の金額です。スワップ金利を貯めながら、じっくりと円高を待つことができます。
仮に、このまま相場が動かなかったとしても、インバース等とは違い、含み損が増えていくことはありませんからね。
レバレッジを低くしていればロスカットのリスクは抑えられますので、下がるまで、じっくり待つことができるわけです。
ただ、この手法ももちろん、完ぺきではなく、各国の金利政策が大きく変わってしまうと、また手法を構築しなおさないといけなくなると思います。
当面は、スワップ金利もプラスですので、問題なく続けていこうと思っています。
私も失敗経験者です
さて、偉そうに語ってきましたが、私もダブルインバース、VIX系ETFで失敗しています。
「これまで失敗してきた投資」でもまとめていますが、私は上述のVIX短期先物ETFを2013年あたりから買い、また、今回のダブルインバースも株価2000円あたりから買っており、含み損が多くなっています。
ですので、偉そうなことは言えませんが、ですが、失敗を経験しているからこそ、お伝えできるかなと思います。
特に、生活費をかけて、ギャンブル的にこのようなよくわからないものに投資をするのはおすすめしません。私も痛いですが、あくまで投資の一つです。
やはり、良くわからないものには投資をせず、堅実なものに投資をすることが最も資産形成には大事なものだと感じています。
暴落対策としてはユーロ円売りをしていますが、ご不明点ございましたら、LINE@もしていますのでお役立てください。