ども。投資軍師かんべえです。
今回は最近流行の米国株価指数のレバレッジ型投資信託である「レバナス」について書きたいと思います。
レバナスとは?
「NASDAQ100指数」の2倍の値動きを目指す米国のレバレッジ型投資信託です。
iFreeレバレッジ NASDAQ100や楽天レバレッジNASDAQ-100が有名で、楽天証券等から購入可能です。
- 堅実な米国指数に積立ができる
- かつ、2倍の値動きで、リターンも高い
- ローリスクハイリターンとして、人気急上昇中
投資系インフルエンサーがおすすめしていたことも後押しとなり、人気が高まっています。
レバナスをおすすめできない理由
ただ、堅実投資、長期投資の観点からはおすすめできません。
おすすめできない理由は以下の通りです。
- 下落相場はもちろん上下動のヨコヨコ相場でも減価していく
- 信託報酬が高い
- 繰り上げ償還の可能性(大暴落時)
基本的に「レバレッジ」がかかっているものは、やはり、長期投資には向いていません。
ヨコヨコ相場で減価していく理由
極端な事例ですが、NADAQが100⇒90⇒100と戻るケースを見てみましょう。
下落率 | 5月24日 | 5月25日 | 5月26日 |
NASDAQ | – | 10% | 11.11% |
レバナス | – | 20% | 22.22% |
株価 | 5月24日 | 5月25日 | 5月26日 |
NASDAQ | 100 | 90 | 100 |
レバナス | 100 | 80 | 97.78 |
このようにNASDAQは元値に戻っていますが、レバナスは97.78と、元値には戻っていません。
これが減価する理由です。
また、長く上下動のヨコヨコ相場が続いてしまうと・・・
NASDAQ | レバナス | NASDAQ率 | レバナス率 | |
5月24日 | 100 | 100 | ||
5月25日 | 90 | 80 | 10.000% | 20.000% |
5月26日 | 100 | 97.78 | -11.111% | -22.222% |
5月27日 | 90 | 78.22 | 10.000% | 20.000% |
5月28日 | 100 | 95.60 | -11.111% | -22.222% |
5月29日 | 90 | 76.48 | 10.000% | 20.000% |
5月30日 | 100 | 93.48 | -11.111% | -22.222% |
5月31日 | 90 | 74.78 | 10.000% | 20.000% |
6月1日 | 100 | 91.40 | -11.111% | -22.222% |
6月2日 | 90 | 73.12 | 10.000% | 20.000% |
6月3日 | 100 | 89.37 | -11.111% | -22.222% |
6月4日 | 90 | 71.50 | 10.000% | 20.000% |
6月5日 | 100 | 87.39 | -11.111% | -22.222% |
6月6日 | 90 | 69.91 | 10.000% | 20.000% |
6月7日 | 100 | 85.44 | -11.111% | -22.222% |
6月8日 | 90 | 68.36 | 10.000% | 20.000% |
6月9日 | 100 | 83.55 | -11.111% | -22.222% |
6月10日 | 90 | 66.84 | 10.000% | 20.000% |
6月11日 | 100 | 81.69 | -11.111% | -22.222% |
6月12日 | 90 | 65.35 | 10.000% | 20.000% |
6月13日 | 100 | 79.87 | -11.111% | -22.222% |
6月14日 | 90 | 63.90 | 10.000% | 20.000% |
6月15日 | 100 | 78.10 | -11.111% | -22.222% |
極端な事例ですが、どんどん減価していくわけです。
つまり、NASDAQが将来定期に上がるとしても、下落相場やヨコヨコ相場が長く続いてしまうと、回収が難しくなるわけです。
これは、ダブルインバース等、他のレバレッジ型ETFでも同様なことですね。
信託報酬が高い
レバレッジ型ETFは信託報酬も高くなります。
銘柄名 | 信託報酬 | 純資産総額 |
楽天レバレッジNASDAQ-100 | 0.77% | 226億円 |
iFreeレバレッジNASDAQ100 | 0.99% | 1,398億円 |
年間平均して0.77%以上の利回りを出さないとマイナスになってしまいますので、これも、投資のタイミングを間違えると、回収が難しくなりますね。
繰り上げ償還の可能性(大暴落時)
また、投資信託ですので、繰り上げ償還の可能性もあります。
- 受益権の口数が10億口を下回ることになった場合
- やむを得ない状況
こちらは現在の状況では可能性が低いです。
ただ、歴史的な大暴落があった場合等、運用不可能になることもあり得ます。
暴落時に償還となってしまうと、強制的に損切させられるわけですから、積立投資の意味がなくなってしまいます。
レバナスが長期積立投資に向かない理由まとめ
恐らく繰り上げ償還が起きる可能性は低いと思いますが、長年かけて相場が下落する可能性、ヨコヨコで停滞する可能性は十分あります。
特に米国市場は、今まで、金融緩和相場で上げてきていますので、そろそろリセッションが始まるのではないかと言われています。
もちろん、5年先、10年先は、今より大きく成長している可能性が高いと言われていますが、それまで、停滞、下落相場が長年続いてしまう可能性もあるわけです。
そうなると、減価が続き、ナンピン塩漬けとなり、回収するにはまた何年も上がり続けなければならなくなるわけです。
ちなみに、こういった商品が今出ている理由は、今、株価が高いからですね。本当は低い時に買っておけば儲かるのですが、低い時は逆にVIX等の商品が人気となるので、VIX関連のETFが増えたりしますね。
レバナスの投資戦略
では、レバナスは投資してはいけないのか?
決してそういうわけではなく、投資のタイミングが大事であると思います。
- 今後、下落相場が長く続かず、上昇が続いて行くなら積立はあり
- 大暴落後の戻りを狙って買う
こういった戦略であれば、勝率が高いと考えられます。
ただ、今後も、米国市場の上昇が続ていくかどうかは、正直ギャンブル的な投資法になってしまいます。それより、減価の少ない、レバの無いETFを現物買いした方が良いでしょう。
投資をしてはいけない商品を見分ける方法
STEP1「まずは金持ち思考を学ぼう」でも書いていますが
- よくわからないものに投資をしない
- 早く簡単に稼ごうとしない(レバレッジをかけない)
- 周りが貪欲になっているときは慎重に
(誰かが買えと言ったから、買うのはNG)
この原則を意識して、投資判断するのがおすすめです。
なぜ2倍の値動きができるのか?正確に理解している人は少ないでしょう。
また、やはり、ウォーレンバフェットも言う通り、レバレッジがかかっている時点で、長期投資・メイン投資にはしづらいですね。
レバレッジがかかっているという点から早く簡単に稼げるのではないか?という思いもあると思います。
そして、今、多くの人が貪欲になっているので、慎重にすべきですね。
メインで投資をすべきものは?
メインで投資をすべきものはやはり
長期で保有が可能。上がる(勝つ)まで待てる商品
ですね。
その点、レバレッジをかけないインデックス投資の方が良いでしょう。
また、私がメインで実践している、米ドル積立投資、ドル円買いユーロ円売り両建て等、参考に。
もちろん、これも前提が崩れる可能性はあります。
以上、引き続き堅実投資に努めましょう。
ご不明点はLINE@もお役立てください。
動画解説も参考に